「自社で作る」か「SaaSを買う」かの分かれ目

事業を運営する中で繰り返し訪れる「自社で作るか、SaaSを買うか」の判断を、「そこが他社との違いを生む部分かどうか」という一つの基準で整理している考え方です。この基準は、ASP時代からずっと一貫して使い続けています。

執筆者
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運営者・AIエンジニア / IT歴36年以上

会議室で自社開発か外部サービスかを話し合う二人の写真
「作る」か「買う」かを話し合う場面のイメージ

重要ポイント

  • 立場: 複数事業の経営判断
  • 判断基準: 自社の強みに関わる部分かどうか
  • 結果: 経理・勤怠はSaaS/顧客提供価値はASPで自社開発、を一貫して運用

Q. どういう基準で判断しているのですか?

A. 経理や勤怠管理のように、自社の強みと直接関係のない業務については、私は迷わず既存のSaaSを使います。ここに独自の工夫を凝らしても、事業の競争力には直接つながらないからです。むしろ自社で作ることで、保守やアップデートの負担を余分に抱え込むことになります。

Q. 逆に、自社で開発する部分はありますか?

A. あります。ASPを運営していた時代の課金の仕組みや配信の基盤のように、顧客に提供する価値そのものに関わる部分は自社で開発してきました。ここは他社との違いを生む部分であり、既製品では自社らしさを出せません。競合と同じSaaSに乗ってしまうと、サービスの中身まで似通ってしまうリスクがあります。

Q. この判断で迷うことはなかったのですか?

A. 迷うことはあります。特に、事業の中核に近いのか周辺なのか、境界がはっきりしない業務も多くあります。そういうときは「これが無くなったら、お客様は困るか」「これが他社と同じでも、お客様は気にしないか」を基準に、もう一段階掘り下げて考えるようにしています。

Q. この考え方は、相談を受ける今の仕事でも使っていますか?

A. 使っています。中小企業やスタートアップの技術の相談を受けるときも、まず「これは自社の強みに関わる部分か」を一緒に整理することから始めています。経営者自身が、自社のどこが本当の強みなのかを言語化できていないケースも少なくありません。

Q. この基準で判断を誤ったことはありませんか?

A. 初期にはありました。周辺業務だと思って外部に任せた部分が、後から実は差別化に関わる部分だったと気づいたことがあります。それ以来、判断に迷う業務は、いったん保留にして事業の方向性が固まってから決めるようにしています。

運営者メモ

差別化に関係のない業務にまで時間とお金をかけて自社開発するのは非効率で、逆に自社の価値の核心をSaaSに任せてしまうと、他社と同じ土俵から抜け出せなくなります。

この判断を最初に整理しておくだけで、限られた開発予算をどこに集中させるべきかが明確になります。中小企業ほど開発リソースが限られているので、この優先順位づけの効果は大企業以上に大きいと感じています。

この判断軸を最初に共有しておくと、限られた開発予算の使いどころについて、経営者と技術者の間で議論がかみ合いやすくなります。

この記事を書いた人

執筆者
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運営者 / AIエンジニア(IT歴36年以上)

  • IT歴36年以上
  • IBM認定 生成AIエンジニア
  • 神田昌典氏 認定ライセンシー
  • 中小企業・スタートアップのCTO代行・技術顧問

IT歴36年以上の運営者です。長年の実務経験と最新の生成AIを掛け合わせ、中小企業・スタートアップが技術の意思決定に自信を持てるよう、現場目線で記事を書いています。

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