技術者がいない会社には、あえてNext.jsを勧めなかった話
技術者が社内にいない会社に対して、あえて高度な技術ではなく、複数人でも扱いやすいWordPressでの作り直しを提案した経験です。

重要ポイント
- 時期: 2011年ごろ
- 相談者: 知人の起業家
- 状況: HTML・CSSだけの複雑なサイト、社内に技術者なし
- 判断: 高度な技術よりWordPressでの再構築を優先
Q. どんな状況だったのですか?
A. 知人の起業家が、HTMLとCSSだけで作られた複雑なサイトを運営していました。ページ数が多く、構造も複雑になっていて、更新のたびに手作業でコードを直す必要があり、負担が大きくなっていました。
Q. 技術的にはもっと高度な選択肢もあったのではないですか?
A. ありました。しかしこの会社には専任の技術者がおらず、日々の更新は複数の非エンジニアのスタッフが分担して行う必要がありました。
Q. なぜ、あえて高度な技術を避けたのですか?
A. どれだけ優れた技術でも、それを扱える人がいなければ宝の持ち腐れになるからです。専任の技術者がいない前提で選ぶべきなのは、「いちばん高性能な技術」ではなく「いちばん運用しやすい技術」だと判断しました。
Q. 最終的に、どんな提案をしたのですか?
A. 高度な技術を使うことよりも、「誰が触っても壊れにくく、複数人で分担して管理・作業しやすいこと」を優先し、WordPressでサイトを作り直すことを提案しました。
Q. その後、この会社の体制は変わりましたか?
A. 少なくとも私が関わった時点では、専任の技術者を新たに採用するという話にはなりませんでした。だからこそ、今ある体制のままで運用し続けられる選択肢を用意することが、現実的な解決策だったと考えています。
運営者メモ
技術の選定は、その技術がどれだけ優れているかではなく、実際にそれを使い続ける人たちが無理なく扱えるかどうかで決めるべきだというのが、私の一貫した考え方です。Case 1で紹介した「誰でも触れるかを基準にする」という判断基準は、この案件でも同じ形で活きています。
技術選定において「その会社の体制に合っているか」という視点は、技術力そのものと同じくらい重要です。この視点を欠いた提案は、どれだけ技術的に優れていても、現場では使われないまま終わってしまいます。
こうした「使い続けられるか」を優先する判断は、時に技術的な理想を諦めることでもあります。それでも現場で長く動くシステムを残せることのほうが、最終的には会社のためになると考えています。

